19世紀から20世紀にかけフランスで功績を遺した作曲家ガブリエル・フォーレは、ピレネー山脈ふもとの町パミエで生まれました。
9歳でパリの古典宗教音楽学校に入学。サン=サーンスに師事し、グレゴリオ聖歌などの宗教音楽や合唱曲、ピアノ、オルガン、作曲を学びます。学校では大変優秀な成績を収め、20歳で卒業後は各地で教会オルガニストを歴任。51歳の時、パリ音楽院の作曲科教授となり、60歳で学院院長に就任しました。
フォーレの生きた時代は、西洋音楽史上大きな変化が見られました。フォーレの青年期はリストやブラームスの作品の成熟期でしたが、後にワーグナー、ドビュッシー、ストラヴィンスキー、シェーンベルクといった多調・無調の作品が注目され、多くの作曲家たちが影響を受け、新たな技法を用いた作品が盛んに生み出されていった時代です。その中で、フォーレは独自の世界観を持ち続け、その作風は、いずれも洗練された詩的情緒に溢れたものとなっています。
フォーレの作品は、晩年には小規模編成の室内楽が多く書かれましたが、ピアノ曲・歌曲については、10代の頃から60年間、生涯に渡り作曲を続けました。
1924年、肺炎を患い79歳でこの世を去りました。晩年まで作曲の筆を休めることはなく、国葬で執り行われた葬儀では、フォーレの代表作「レクイエム」が演奏されたそうです。
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