音の無いところにも音楽があります。曲の中で音が鳴らないところ、それが休符ですね。
ピアノを習い始めたばかりの幼い頃、4分音符は「たん」、4分休符は「うん」でお休みですよ。。。と、何度もリズム読みを教わったことでしょう。
この「お休み」、実は音を出す「音符」よりもずっと難しいのです。人間の動作は、瞬時に力を入れる事は難しくないのですが、逆に瞬時に力を抑えるのはなかなか大変です。
例えば、テンポの速い曲に細かく登場する休符は正確に刻んでこそ音楽が成り立ちます。また、激しくダイナミックな流れの直後、プツリとこと切れたように現れる休符による静寂。これは最大の緊張感を生む効果がありますが、絶妙なタイミングで全ての音を消すことはとても難しいですね。また、「音を合わせてみよう」でも少し触れていますが、アンサンブルの場合、パートによっては裏拍ばかり刻む曲も多々ありますが、休みの間しっかりとリズムを刻み、乗り遅れないように共演者とピタリとタイミングを合わせるのは容易ではありません。
「お休み」も音楽の大切な一部です。休符の効果を活かせる演奏をしたいですね。
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