ピエトロ・マスカーニ(1863~1945)はイタリアの作曲家。
マスカーニの名を世に送り出した作品が、一幕物の歌劇『カヴァレリア・ルスティカーナ』です。楽譜出版社ソンゾーニョ主催のオペラ・コンクールで圧倒的な支持を得て優勝し、当時26歳の無名の作曲家の名を世界中に知らしめることとなりました。
この作品は、作家ジョヴァンニ・ヴェルガの小説を題材に作曲されました。ヴェルガの生地シチリア島のヴィツィーニ村で実際に起きた事件をもとに書かれたもので、この『カヴァレリア・ルスティカーナ』はリアリズムを描き出すヴェリズモ・オペラの代表作とされています。
カヴァレリア・ルスティカーナとは「田舎の騎士」という意味。ヴィツィーニ村の若い二組の男女の愛憎が引き起こした惨劇です。
劇中最もよく知られる「間奏曲」は宗教的な雰囲気を伴った大変美しい作品です。物語の悲惨な結末を予見するかのように空白の舞台を静かに漂い、とても効果的に使われています。単独で取り上げられることも多い「間奏曲」ですが、マスカーニはこの「間奏曲」をオペラに用いる前からピアノ譜として書き起こしていました。現在ではピアノ独奏で演奏される事は少ないのですが、様々な管弦楽器で広く演奏され親しまれている作品です。
|