今日は、南フランス・ラングドックの作曲家
デオダ・ド・セヴラック(Déodat de Séverac 1872.7.20~1921.3.24)の100回目の命日です。
19世紀終わりから20世紀初め、ドビュッシーやラヴェルと共にフランス近代音楽作曲家として高く評価されたセヴラック。49歳という若さでその生涯を閉じることになった彼は、華やかなパリの音楽界での活動よりも、故郷ラングドックの伝統音楽をこよなく愛し、ピアノ曲を中心に残された作品の数々は、自然豊かな大地から生まれた風景画のような味わい深さが特徴です。
セヴラックの作品の中でも特に人気の高い小品集「休暇の日々」の1曲に、「鳩たちの水盤」という作品があるのはご存じでしょうか。残念ながらセヴラック自身によって書き上げられることなく未完のまま残されたこの曲は、彼の亡き後、残された作曲帳に書かれた断片をもとに、セヴラックの師であり親交の深かったピアニスト ブランシュ・セルヴァによって補完されました。
鳩の鳴き声と水浴びをする羽音が可愛らしいこの小品は、未完であった故か演奏される機会が格段に少ないのですが、緑が美しくなるこれからの季節、ぜひ楽しんで頂きたい1曲です。
ちなみに私は、日光東照宮の「眠り猫」の裏のスズメたちをちょっと思い出したりもします、、