gpz13.htm Last update 1999/01/18

リアホイル周辺のメンテナンス


さて、工具を揃えたところで、まず手始めにリアホイル回りをメンテナンスしてみました。
普段は水洗いとチェーンオイルの注油程度しかやったことのない部分ですが、雨天走行やダート走行でかなり汚れている部分です。
たまには分解して綺麗にしてあげましょう。

もし、泥だらけになっているようであれば、あらかじめ水で泥汚れを流しておくと、後の作業で手が泥だらけにならなくて良いと思うです。(分解したところに泥が入るの嫌だもんね)

次ぎに、リアホイルを外すわけですが、サスペンションのリンク回りのメンテも同時に行うならマフラーがちょっと邪魔になりますね。
ノーマルマフラーな人なら右側のサイレンサー部分だけでも取り外してしまいましょう。
(当然、タイヤ交換だけならサイレンサーを外す必要ないですけどね。)
すごく簡単。下の写真のようにエキパイの分岐の部分のネジを緩めて、右サイレンサーを固定しているボルトを外します。(ボルトを抜くとサイレンサーが下に落ちるのでボルトを抜くときには注意)
あとは、タンデムステップのボルトを外すしてエキパイの部分を少しづつ左右に回して引っこ抜くだけ。
(この作業はセンタースタンドよりもサイドスタンドを立てたほうが作業しやすいです。)

右サイレンサー取り外し

さて、今回の主役「リアホイル」の取り外しに移ります。
まずはセンタースタンドを立てます。
まぁ、この先のことは現物を見ればわかると思いますが、ホイルはスイングアームに付いてるわけですからナットを外してシャフトを引っこ抜けばいいわけです。
27ミリのナットに割ピンが刺さってますよね。割ピンをまっすぐにして引っこ抜きます。
(この割ピンは何度もホイルを外したりするときにはちょっと不便だったりするのでベータピンというやつに交換してやると次からホイルを外すときには便利です。)

割ピンの代わりにβピン
を使って針金で脱落防止

27ミリと22ミリ(24だったかも・・・)のメガネレンチでナットを外してやります。
で、シャフトを抜くわけですが、手で抜けないときにはプラスチックハンマーで叩いてやればOK。
このとき、片手でホイルを持ち上げつつシャフトを抜きましょう。

シャフトが抜けたらチェーンを外して、ホイルをスイングアームの外に出してやればいいわけ。
ん?リアブレーキのキャリパーはどうするかっていうと・・・スイングアームにキャリパーサポートと一緒に残ってくれるから別に構いませんけど、ホイルを外に出すときに邪魔になるので、ホイルを引きずり出す前にスイングアームの外側に出しておくと良いでしょう。
キャリパーはホースで繋がっているから垂らしておくとブラブラするし、ホースにも負担がかかりますから、ヒモや針金でタンデムステップにでもぶら下げておくと、ホースに優しくてグーですね。
チェーンも地面に垂れてしまって土が付いて汚れるのでヒモで宙にぶら下げるのがいいでしょう。
そうそう、ホイル回りのメンテついでにチェーンも綺麗にするならホイルを外す前にチェーンクリーナーでチェーンの油汚れを落としてから作業したほうが手が汚れずに済みます)


ロングフェンダーにしている場合、ホイルを外に引きずり出すのはなかなか面倒ですが、ホイルを寝かせたりひねったりしてやってみましょう。知恵の輪みたいですけど。(^_^;

苦労の末、ホイルを外に出したところで、すぐにスプロケット(以降スプロケと略)を外しておくと良いでしょう。(下図参照)
ボルトやナットで固定されているわけではないので、ホイルを外したうれしさの余り転がして遊んでいると、脱落してスプロケを傷つけてしまう可能性がありますよ。(危うくやりそうになりました。(^_^;)

ダンパーとスプロケ

この時に、スプロケを左右に回してみてガタつきが多い場合は中に入っているゴム製のダンパーがヘタっている証拠です。そんなときにはダンパーを交換しましょう。

ホイルが外れたところで心おきなく清掃作業に移りましょう。
パーツクリーナーで洗うもよし、中性洗剤で食器のごとく洗うもよし。好きにやって下さい。(^_^;
ただし、パーツクリーナーはタイヤにかけないように気を付けましょうね。
ついでにリアフェンダーの内側も綺麗にしてやりましょう。タイヤがあるとなかなか綺麗にしづらい部分だし。
スプロケなんかも普通だとチェーンが邪魔して綺麗にしずらいですけど、ここまでバラせばパーツクリーナーでばっちり。
ただ、ホイルの中心部分には樹脂でシールされているベアリングがあるのでここはハデにパーツクリーナーをかけないで、キッチンペーパーなどにパーツクリーナーをちょっとだけ付けて汚れたグリスを拭き取るほうがいいでしょう。
(なにげにウェスなどを使うよりもキッチンペーパーのほうが便利ですね。使い捨てできるから。)

納得のいくまできれいにできたら次はグリスアップです。下の3枚の写真をまずは見て下さい。

スプロケ外側 スプロケ内側 ブレーキディスク側

この3枚の写真はカラーの向きとグリスアップの場所を示したものです。
左右の写真の部分はサービスマニュアルで指定されたグリス塗布の部分ですが、真ん中の写真の部分は特に指定がありません。ま、念のためグリスアップしてもよろしいかと・・・(^_^;
樹脂のシールがあるのでここで使うグリスは樹脂を侵さないグリスということで、万能グリスを使いました。

あとはアクルスシャフトにもグリスを薄く塗布しておくとグーでしょう。
こっちは樹脂は無いし高速回転する部分ということでモリブデン系のグリスを使いました。
アクルスシャフトのネジ山にもグリスを塗っておくと、ネジ山のかじり防止になりますよ。

グリスアップが終わりましたら組み立てですね。
スプロケをホイルに取り付けるわけですが、カラーの向きを間違えないように注意しましょう。(上図中央参照)
実はひっくり返して取り付けてしまって、アクルスシャフトを締めこむとタイヤの動きが渋くなるという経験有ります。(^_^;

ホイルを再び知恵の輪のように元に戻してチェーンをスプロケにかけ、キャリパーをディスクに噛ませます。
(スプロケ外側とブレーキディスク側のカラーはホイルを組み込んでいる最中に脱落することがありますので、ホイルをスイングアームの間に戻した後で取り付けた方がいいかもしれません。)

ここまではいいのですが、この後が問題。
一人で重たいホイルを持ち上げて、アクルスシャフトを貫通させるのはなかなか難しいです。
そこで、ジャッキを使ってリアを少し下げましょう。
(ジャッキを当てるときには当て木をしてやらないとフレームやエキパイを傷つけてしまうので要注意)
ホイルを持ち上げてスイングアームの穴の位置に合わせるのではなくて、スイングアームの穴の位置をホイルの穴の位置まで合わせればよいのです。

と、いうわけで、ジャッキをセンタースタンドよりもちょっとフロント側に寄せた位置で当てるといいのですが、エキパイを社外品交換している場合は、ジャッキでパイプをつぶしてしまうことがありますから、注意して下さいませ。
(そんなときはエキパイではなくて、アンダーフレームに当て木してやるといいかも。でも、この場合はジャッキが二つくらい必要になりそうですね。)
こうすれば、ホイルを持ち上げる苦労が無くなって、穴位置合わせに専念できるってもんです。(^_^)v

アクルスシャフトが上手く通ったらチェーンの弛みが適切かどうかをチェックして、もし緩んでたり、張りすぎていたら調整しましょう。(調整方法はここでは割愛しますね)
タイヤがまっすぐに取り付いているかもチェックして、手で回してスムーズに回ることを確認します。
確認が終わったらアクルスナットを締め上げます。

ナットを締め付ける力はできればトルクレンチを用意しておいて締めるほうが安心ですよね。
締め付けトルクは110Nm(11.0kgf・m)です。
まぁ、トルクレンチが無くても緩めたときと同じくらいの力加減で締めれば大体こんなもんでしょう。

シャフトの締め付けが完了したら再び、手で回してスムーズに動くことを確認しましょう。
もし締める前は回っていたのに、締めたら回らなくなったという場合、カラーのつけ間違いを疑いましょう。(経験者談(^_^;)

で、最後に取り外したサイレンサーを先ほどとは逆の手順で取り付けて作業完了。

98年12月6日・13日作業


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