フィンランドを代表する作曲家シベリウスは、ヘルシンキ近くのハメーリンナ生まれのスウェーデン系フィンランド人です。幼少の頃よりピアノを遊びのように習い、10歳で作曲を手掛けたそうです。青年期にはヴァイオリンを始め、一時期はヴァイオリニストを目指した事もありました。
大学はヘルシンキ大学法学部に入学し、且つヘルシンキ音楽院にも籍を置いていましたが、後に音楽への道に専念しベルリンとウィーンに留学。帰国後は祖国フィンランドの民族的大抒情詩「カレワラ」を題材にするなど、国民主義の立場で作曲活動を行い、第二の国歌と称される交響詩「フィンランディア」や「ヴァイオリン協奏曲」などの大作を生み出します。
大きな作品が評価されているシベリウスですが、これら大作の創作と並行し、長年にわたってピアノ小品を書き続けました。ショパンにとってのマズルカがそうであったように、日々の日記を綴るように書き溜めていたと思われるそれらの小品からは、静寂な森と済んだ大気、ゆったりと水を湛えた湖、緑の木々と色とりどりの花々など、北欧の豊かな自然に囲まれ創作活動を行っていたシベリウスの日常の遊び心が垣間見えるようです。
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