マックス・レーガー(Max Regar 1873.3.19〜1916.5.11)はドイツ後期ロマン派の作曲家です。
オルガニスト・ピアニストとしても積極的に活動し、オルガン曲や室内楽、歌曲、合唱曲、ピアノ曲を中心に、交響曲とオペラを除くほぼ全ての分野において数多くの作品を残しました。
ピアノ作品は1曲数分程度の即興的なサロン風小品が多く、シューマンやブラームスを想わせる優美でロマンチックなもの、広い音域にわたる跳躍と、4和音・5和音を多用したダイナミックで重厚なもの、可愛らしく軽やかなもの、陰鬱なもの、そしてバッハに倣ったフーガなど、その作風は実に多彩です。
19世紀末から20世紀初頭、西洋音楽は調性を無くし十二音技法へと大きく変動していった時代。シェーンベルクやヒンデミット等の革新的な作風とは異なり、伝統的なドイツ音楽の系譜を継ぎ、且つ独自のスタイルを貫いたレーガーの作品は、保守的で時代遅れという印象もあるのか、当時の活躍と名声に反して今ではあまり演奏されないのはとても残念です。
2メートル近い長身と、体重は100キロを超える巨体だったというレーガー。作品も音域を広く使い、大きな跳躍の連続や10度の和音が多用される曲も多いのですが、「色とりどりの小品
op.36」など気軽に楽しめる曲から、お気に入りを見つけてほしいと思います。