グラナドスはスペイン・レリダの生まれ。アルベニス・ファリャと並び、スペイン近代の三大音楽家の1人です。
幼少の頃より楽才を示し、ピアノ教育を受け、16歳でバルセロナ音楽学校(リセウ高等音楽院)のコンクールで主席の成績を修めます。その後作曲を学び、パリ音楽院に入学予定でしたが、急病のため断念せざるを得なくなったものの、同音楽院の教授であるシャルル・ド・ベリオに師事し、ピアニスト・作曲家として活動を始めます。
グラナドスの初期の作品は、「スペイン舞曲集」のように民族色が強いものと、「演奏会用アレグロ」のようにロマンチックでメロディアスなものに二分されていましたが、彼の代表作である「ゴイェスカス」以降の円熟期の作品は、スペイン民謡とロマンティシズムを融合したグラナドス固有の色彩を放ち、高く評価されるようになりました。
「ゴイェスカス」は、パリのオペラ座からの依頼を受けオペラ化されましたが、第一次世界大戦の勃発により上演を阻まれ、ニューヨークのメトロポリタン歌劇場で初演されることとなり大成功を収めます。
しかし、公演後のスペインへの帰路、彼の乗船した客船はドイツ潜水艦の攻撃を受け、イギリス海峡で沈没しその犠牲となりました。グラナドスは一旦は救命ボートに引き上げられましたが、波間に沈む妻の姿を追って自ら水中へ身を投じ、1916年3月、48歳でその生涯を閉じることとなりました。
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