アルベルト・ヒナステラは、アルゼンチンのブエノスアイレス生まれ。農業と商工業を営む家系に生まれ、録音やストリート・ミュージシャンの演奏するタンゴやワルツを聴いて育ちました。7歳で本格的な音楽のレッスンを始め、12歳でブエノスアイレスの音楽院に入学。作曲や和声学、音楽理論などを学び、後に国立音楽院の教授の職に就きました。
29歳でアメリカに渡り、3年間コープランドに学んだ後、ブエノスアイレスへ戻り、国際現代音楽協会アルゼンチン支部を設立し指導者として働きます。
52歳で再び渡米、その後ヨーロッパへ移住。各国各地で教鞭を取りながら作曲の筆を進め、国際現代音楽協会主催の演奏会に出演したヒナステラは、そこで披露した自作曲により、国際的にその名が認められるようになりました。
手掛けた作品は多岐に渡り、オペラ、管弦楽曲、協奏曲、バレエ音楽、ピアノ曲ほか、多くの作品を残しています。その作風は、初期はアルゼンチンの民俗音楽を基調とし、次第に新しい手法を加えた国民主義へと移り、やがて無調や十二音技法へと移行していきました。
ラテンアメリカのクラシック音楽史上重要な役割を担った、アルゼンチンを代表する国際的作曲家です。
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