車輌作製記

〜小田急5200形編(その2)〜

 

 

 

側板の加工が終わりいよいよ箱組みを進めます。小田急のエコノミーキット、組立もかなり厄介なので、またしても加工が必要になります。

まずは妻板の屋根板と接着する部分を斜めに削ります。画像の右側が削る前、左側が削った後です。何もせずに組立てて行くと、どーにも側板の上面と屋根の雨どいがうまく密着できないのですねー。無理やり密着させると、両端(つまりは妻板との接着部分)のみが上に持ち上がってしまい、うまく密着できません。両端だけが持ち上がった状態になってしまう。

恐らく、以下が原因であると考えます。

    屋根の高さに対して妻板の屋根との接着部の高さが高い

    屋根板が少々長すぎる

 

 

 

という事で、屋根側も両端を斜めに削りながら、長さを詰めていきます。この辺は現物あわせで、口の字に組んだ車体に合わせながら少しずつ調整する必要があります。この作業がまた結構、時間がかかるんですよー。

 

 

 

前回の更新から丸三ヶ月かかってしまいましたが、ようやく6輌分の箱組みが完成です。

この後、下地塗装をして各部のパテ盛箇所のチャックをします。OKであれば、屋根上の作製、塗装へと進めていく予定です。

 

 

2011/10/14 Update

車体の組立に続いて、屋根上の配管作製に入りました。この車輌を作製する上でのメインイベントのひとつなので、丁寧に取り組んで行きたい所です。この車輌の配管、少々複雑で複数本が縦横に配置されるため、屋根板に鉛筆でケガいていくのはかなり面倒です。

そこで今回、配管治具ステッカーなるものを自作してみました。配管治具ステッカーといえば、富士川車輌工業さんから各種発売されており、過去に115系の作製に使った事があるのですが、あいにく小田急シリーズでは5200形は製品化されていません。

クーラーの位置もGM指定の箇所では実車と異なるため、穴あけ箇所も含めて図示しました。図面はこちらに用意してあります。A4ラベル用紙に印刷して切り出して使いました。

 

 

 

クーラー、パンタグラフ、割りピンの取付け部分などにピンバイスで開口します。クーラーは1.0mmφ、割りピンは0.4mmφ、パンタグラフは0.8mmで開けました。全ての穴を開け、ステッカーを剥し、配管にあわせて真鍮線を曲げて行きます。真鍮線は基本的には0.3mmの物を使用し、避雷器に繋がる配管とパンタから妻面に向かう母線には0.2mmの物を使用しました。この辺は実車の写真と見比べて進めていきました。

真鍮線の固定には、いつも使用しているBONAの割ピンセット(P-002)を使用しました。上下方向、横方向にそれぞれ二本ずつ束ねられるピンも付属しており、今回のパイピングにはとても重宝しました。配管の台座も同製品に含まれているので、わざわざプラ板などで自作する必要もありません。

 

 

 

デハ5300とデハ5400まで完了したところです。パンタグラフ、クーラーを仮置きして様子を見てみました。一見、複雑そうなパイピングですが、直線部分が多いので作業としては比較的単純かもしれません。

但し、上下関係を良く考えて固定していかないと、後で間違いに気が付いてもどうにもならなくなるので、注意が必要です。

又、ランボードはキット付属のものでは長さが不足するので、二枚ずつを長さを調整のうえ貼り付けました。GMから汎用品も発売されていますが、傾斜がきつく今回の屋根板にはフィットしません。やはりキット付属のものが一番、フィット感はあります。

 

 

 

残るデハ5500のパイピングにも着手。妻面の固定には画像にある銅線(0.12mmのもの)を使用しました。先に屋根上から割りピンで固定していくので、妻面も割りピンで固定しようとしても固定しにくくなってしまうのですが、柔らかい銅線を使えば簡単に妻面も固定できます。画像右下、配管部分はこれから固定するところです。

 

 

 

 

デハ5500のパイピングが終了したところです。

パンタ台座には、富士川車輌工業のパンタ台座Dを使用してみました。初めて使うのですが、形状もよく、塗装するのが楽しみです。

デハ5400はパンタグラフ撤去車とするので、ヒューズ箱の台座をプラ板で再現してみました。

 

 

 

 

妻板に繋がる配管部分です。上下に立体的に配置する部分なので、真鍮線をちょうどいい位置で曲げるのに苦労しました。

因みに妻面の手摺ですが、湘南電車の小田急2600形グレードアップパーツに付属のものを使用しました。配管側は少ないのですが反対側は数が多いので、取付けるのが大変です。

 

 

 

 

 

デハ5300と5500にはヒューズ箱をつけます。ヒューズ箱自体は、GM小田急8000形用のバルク品を使っています。中心に0.5mm程度の穴を開け、0.2mmの真鍮線を2本差込んで這わせています。屋根側の配管は0.3mmの真鍮線を使っているので、接続部が目立たないように割りピンを使ってうまく配置したつもりですが…。

 

 

 

 

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