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作品解説
explanation
『子供の情景』より トロイメライ op.15-7 (
R.A.シューマン
)
シューマンの『トロイメライ (Op.15-7)』は、彼の残した全ての作品の中でおそらく最も広く親しまれている1曲でしょう。
『トロイメライ』は全13曲から成るシューマンのピアノ小曲集《子供の情景 Op.15》の中の第7曲目にあたります。この可愛らしい小曲集は、シューマンが28歳の時、婚約者であり後に妻となる恋人のクララ・ヴィークに言われた一言から生まれました。
「あなたって時々子供みたいね。」
シューマンはこの言葉への返事として僅か2週間で30曲もの小品を作り、その中から13曲を集め、手紙を添えてクララに贈りました。それがこの《子供の情景》です。手紙には「あなたのおかげで小さく可愛いのが出来ました。この曲集は大人の回想で、子供が弾くための作品というよりは寧ろ年を取った人の為のものです。貴女はきっと興味を持ってくれるでしょう。」と書かれています。
テクニック的には然程難しくはないので子供の為の小品集などによく収録されていますが、小さい作品ながらもその密度の濃さと、シューマン特有の切なくロマンティックな旋律、ハーモニーの美しさを充分に表現することは決して容易ではありません。
『トロイメライ』とは、ドイツ語で「夢見心地」という意味です。よく『夢』と題しているものを見かけますが、ちょっと意味が異なるように思います。初級〜中級レベルの大人の方がじっくりと味わいながら楽しむ作品としてお勧めの1曲です。
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