車輌作製記 〜京王6000系編(その1)〜 |
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このページでは京王6000系の作製記を紹介します。数々のバリエーションが活躍した京王6000系の中で、私が最も好きだった0番台の分割編成(3+5)を作成します。
今回の作製におけるポイントとしては以下です。 ・KTR時代、スカートなしの3+5編成を再現する(第1から第6編成のどれかにする予定) ・側板雨どいをプラストライプ(0.14mm厚/0.5mm幅)に交換 ・ヘッドライト点灯化のために、ヘッドライトをTAVASA PX-038 民鉄用前尾灯セットに交換 ・テールライト(種別標識灯)点灯化のために、キットモールドを開口 ・屋根上の手すりをTAVASA PN024屋上用手スリセットに全交換、ヒューズ箱付近の配管のみ真鍮線で引きなおし
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京王6000系は、塗装済みキットが発売されてからエコノミーキットとしては店頭から姿を消しているようですが、偶然にもGMストアー海老名(現在は横浜に移転)にてオリジナルアソート品を発見、しかも一番好きな分割編成と言うことで、速攻で購入!していました(2007/10の事ですが…)。確か、8輌固定編成も販売していたような気がします(こっちも買って置けば良かったなー)。 それから2年以上が経ち、2010/2にようやく着工です。
塗装済みキット用のパーツを集めてパッケージしているようで、中のランナーは通常のエコノミーキットよりも白っぽい色をしています。 |
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この車輌は種別標識灯が車体上方の両側にあり、意地悪く四角形をしています。なぜ意地悪と思うのか?交換できるパーツが無いからです。種別標識灯の点灯は仕方なくあきらめる、という訳にも行かず、とりあえず穴あけする事にします(5000系では諦めましたが…)。 画像左側は0.5mmのドリルで丸穴を開けたところです。これではリアルではないですねー。そこで、棒ヤスリで少しずつ穴を広げ、四角形にしたものが画像右側です。見た目の違い、お分かり頂けるかと思います。ヤスリの径がそんなに細いものではなかったため、開口した丸穴に先端部しか入らず、四角に削り拡げるのにかなり苦労しました。先頭車4輌分この方法でやりましたが、どこかのメーカーから針ヤスリなるものを発売しているので、それを調達した方がもっと楽に作業ができるでしょう。 |
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4輌分、種別識別灯の穴あけが終わった状態です。ついでにヘッドライト横の手すりも交換しました。この種の単純な手すりは汎用品として各メーカーより発売されています。今回は手元にあった小田急用の手すりから余っているの物を使用しました。これまで行ってきた手すり交換は複雑なものが多かったのですが、今回は非常に単純であっけないです。 |
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今回、ヘッドライトにはTAVASAのPX-038を使用しました(左側の画像)。この品番どこかで使用しているのですが…、小田急9000型用のヘッドライトと同じものです。という事で、実車で考えると少々大きすぎるのですが、開口されている穴にぴったりとはまります。ヘッドライトについてはかなり悩みました。もう少し小さい、銀河のNO17、TAVASAのPN-11なども候補に挙げていましたが、たまたま入手できなかったのと、穴埋めしてつけても台座部分が結構、目立たないか?などの要因により、決断できずにいました。 そんな時、GMストアー秋葉原で京王6000系の2連(リバイバルカラー車)の作品を発見。ヘッドライト交換してあり、かなり格好よく決まっていましたが、使っているヘッドライトはPX-038との事 でした。因みにその作品、店員さんが作ったそうですよ。 そこで、4輌分を購入してきました。 |
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このキットは分割特急用の特製キットの為、前パンの6450用に配管付屋根板がセットされています。とは言ってもこの屋根板は元々、増結2連のTc用に設計された屋根板なので、パンタ近傍の細かい引き回しは6450とは若干異なるようです。 車体を口の字にくみ上げ、あわせて見るとご覧の通りで、前方に隙間ができてしまいます(ガーンッ!)。つまり屋根のほうが短いのです。 仕方が無いので、手持ちの0.3mmのプラ板で屋根板を延長しました。前方を延長するか後方を延長するかで悩みましたが、前方だと妙に前面上の部分が長くなると思い、後方を延長。しかし、そのせいで屋根から妻板へ繋がる部分で配管が一旦途切れる事になります。ここは後で何かしらの修正を加えるつもりです。 この隙間は0.4mm程度ありそう?で、0.3mmでもほんの僅かに隙間が残ってしまいました。塗装すれば埋まるかな? |
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とりあえず、京八側の3輌は箱にしました。左から6450、6400、6800。 先頭車両の屋根板にモールドされている都営用の誘導アンテナ台座ですが、実車で存在していたのか不明です。子供の頃、何度も乗っている車輌ですが、残念ながら覚えていないです。 ネットで色々と調べたのですが、結局決定的な情報は得られず、とりあえず削ってしまいました。 一応、6450についてはGMの説明書では削るように指示しています(といっても、本特製キットのためにわざわざ手書き修正してあったので、本当のところはどうなのか?)。 又、6800についてはネット6451〜6456までは無い、という掲載があったのですが、画像があるわけでもなく本当のところは? もし、後で存在する事が判明したら、適当にプラ板で作製して塗装してから接着すればよいかと思っています。 |
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箱組みを順次進めているのですが、ちょっと気になる点が…。屋根板と側板の継ぎ目がうまく処理できないのです。技量不足は認めますが、屋根板側の雨どいが側板と接着した時に埋ってしまいどうしても綺麗に浮き立ってこない。 仕方なく、思い切って雨どいを全て削り落とし、雨樋を別途追加する事にしました。但し、綺麗に削れる自身がなかったため、ツールを調達する事に…。模型屋で見つけた「サテライトツールス」の「タイラー400」を使用してみました。その名の通り、簡単に平らに処理することが出来ました。そして肝心の雨どいですが、「HOBBY BASE」の「プラストライプ 0.14mm厚/0.5mm幅」を使用して復元しました(左画像)。自分のイメージの6000系にピッタリの形となり、これにてようやく心も満たされ安心!です。8輌全てこれに置き換えてしまいました。
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8輌全てをこの雨樋に付け替え、隙間などのパテ埋めが完了したところです。細い雨樋の直線を綺麗に出せるかがポイントです。ここまで出来たら、中性洗剤を入れた洗浄液に一晩漬け込んでいよいよ塗装工程になります。 |
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その前に屋根上配管を少々加工。今回はパイピングをせず、キットの配管モールドをそのまま使う予定ですが、ヒューズ箱付近の配管は途切れてしまうので、この部分のみ真鍮線でひき直しました。区切りの良さそうな所まで配管を削り、0.2mmの真鍮線を割りピンで固定していきます。とりあえず、デハ6450のみやってみましたが、他の中間車も後で同様に加工する予定です。(屋根上の加工は車体の塗装が終わってからでも間に合うので、そろそろ塗装にうつろうかと) それと今回、屋根上の手すりも交換する予定です。京王の屋根上手すりは数が多く、6000系の場合1輌あたり12箇所(中間車の場合)もあるのです。しかも黄色で塗装されているので、地味ですがかなり目立つ存在なので、これは是非、パーツを交換してリアルに再現しておきたいところです。 |
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全体をまず赤で塗装しました。 色には結構悩みました。GM指定ではGM1番の赤2号ですが、自分がイメージしている京王の臙脂色ではありませんでした。GMの赤2号、少し白っぽいというかピンクっぽい感じに思えてどうにも満足できませんでした。仕方なくIPAで全剥離! 代換え色として、マルーン系の色やガイアカラーの赤をベースに調色するなど色々と試みましたがうまくいかず…。おまけに愛用していたエアーブラシまで不調となり、思い切ってエアーブラシ一式も買い換えたりと、何とも落ち着かない状況が続きました。 最終的に、Mrカラーのあずき色(赤2号)に落ち着きました。赤2号と謳っていますが、GMの赤2号よりも遥かに自分がイメージした臙脂色に近い色だと思います。エアーブラシ(+コンプレッサーも購入)も今までよりも少々高価で使い易いもの換えたので、ご覧の通りにザラつきなくピッカピカの光沢仕上げも容易に可能です。(最終的には半光沢塗装で仕上げますが…)
※塗料ですが、Mrカラーのあずき色にマルーンを少々混ぜ合わせると更にいいと思います。あずき色単色とどちらを採用するか悩みましたが、悩み疲れ果てた為、調合はせずにあずき色単色を選択しました。個人的には付属のデカールの色がもっとも実車に近いのでは?と思います。実際にはアイボリーも塗ってみないと何ともいえないとも思うのですが…。 この調子だとアイボリーもかなり悩みそうです。 |