車輌作製記 〜京王3000系編(その4)〜
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ライト類に基板からの光を光ファイバーで導光するために、車体側に加工をします。ヘッドライト、種別灯の裏面付近に画像のように1mmのプラ棒を適当な長さに切ったものを貼り付けていきます。この部分で光ファイバーとの結線部分になります。光ファイバーはφ1mmのものを使用しているので、ファイバーがすんなりはまるように幅を調整しながら位置を決めます。現物あわせで行なうほうが良いです。 |
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次に光が漏れないように蓋をします。蓋は適当な大きさに切った0.3mmのプラ板を使用しました。この部分、光が漏れてこないように後でつや消し黒で塗装しておきました。 |
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種別標識灯と光ファイバーを光学結線するために、画像のようなものを作りました。材料は3mmのプラ角材です。5mm程度の長さに切断し、中央に穴を開けます。種別標識灯はφ1.2mm、光ファイバー側はφ1.0mmなので、最初に1.0mmまで開口し、その後1.2mmのドリルで途中まで開口しました。ドリルで開口する際は、こちらの画像のようにピンセットで抑えながら行なうと作業がしやすいです。 |
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ライト基板を車体に組み込んだ状態です。先ほど作製したファイバーとの結線部分は全てつや消し黒で塗装しました。ヘッドライト、種別標識灯には白色LEDを使用しており光漏れし易いので、光ファイバーは収縮チューブで覆っておきました。但し、収縮はしていません。使用した光ファイバーは熱を与えると曲がってしまうからです。 妻面側の電極は屋根に接着剤で貼り付けます。画像ではまだ貼り付けていない状態です。最後は妻板の裏側と電極の間を銅箔テープで接続します。京王6000系でも同様の手法をとっていますので、そちらも参考にしてください。 |
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床板は終電するためにGMの終電板を切り取って使用しました。今回は前後の終電板を接続するために銅箔テープを使用してみました。見た目はきれいに仕上がりますが、テープによっては接着力の弱いものもあり、肝心の電気的な接触が不安定になる場合があります。 今回使用したテープはまさに上記の状態となってしまい、結局あとで半田付けをする羽目になりました。 ライト点灯化のページで紹介している通りに台車の加工も行い、ライト点灯化については完了です。 |
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後回しにしていたクーラーのルーバーへの色さしを実施しました。ルーバーですが、一個当たり8箇所、一輌あたり6台搭載されており、4輌分を行なうので、合計で192箇所も色さしが必要です。数を考えると気が遠くなりそうですが、実際にやってみると案外、作業は進みます。クーラーの下側(屋根側)に近づくほどモールドの段差がしっかりと付いていますが、反対側(上側)はモールドが殆どありません。薄めたエナメル塗料を流し込むと上側がはみ出すので、画像のような細い綿棒でクーラーの辺に沿ってふき取っていきました。 モールド自体の形状もイマイチ直線が甘い箇所もあり、塗装はしてみたものの、接近して眺めると今ひとつすっきりとしない仕上がりです。まぁ、無塗装よりはずっといいと思いますが・・・。 |
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次に車内の加工を少々やってみました。前面の窓が大型二枚窓なので、前方から除くと車内が丸見えで、ファイバー類やライトを点灯した時の基板付近からの若干の光漏れも気になったからです。 パソコンで画像のような図面を描き、シール紙に印刷してプラ板に貼り付けた物を切り取っていきます。 図面は現物を適当に採寸して作ったものですが、PDFにしたものをこちらにアップしておきます。宜しければ、ご自由にご利用ください。 |
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画像は全てを切り出し、中央の扉を貼り付けてから塗装したものです。 客室側をアイボリー系の色(GMの小田急アイボリーを使用)、運転席側を鶯色(GMの伊豆急ペールブルーを使用)で塗ってみました。車内の小物なので適当に筆で塗りました。 下側の両端に切り欠きを入れてありますが、種別標識灯のファイバー類との干渉を避けるためです。 |
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車体に組み込んだ状態です。床板を取り付けると仕切り板自体は外からあまり見えないのですが、ファイバー類を隠す効果はありそうです。 |
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工期に半年も掛かってしまいましたが、ようやく完成です。5輌編成で塗装も単純そうだったので、比較的軽い気持ちで着手したのですが、事前調査が甘く気がつけばずるずると…。 後から判明した手を加えるべき箇所が多かったのも事実ですが。 井の頭線は、やはり湘南二枚窓の原型がかっこいいです。晩年の3014Fを再現したのでスカートも付けましたが、なかなか似合っていると思います。 また機会があれば、今度はリニューアル後の3000系を作製してみたいと思っています。 |